私の町にもPERFECT DAYSが


映画館で映画を観たのは何年ぶりだろうか。
少なくとも5年間は観ていない。
今の町に引っ越して来たのが5年前で
一度も町にある、この映画館で観たことがなかったのだ。
入り口がとっても暗くて、閉塞感のあるエントランスで
気持ち的に入るのに躊躇う雰囲気があったからかもしれないが
ところがどっこい、入ってみると
館内は、ガウディの時代にタイムスリップしたかのような
素晴らしいモデルニスモ建築で
グレイッシュな薄いピンク色と象牙色の気持ちが落ち着く配色で
豪華な劇場だったのだ。

そして映画が始まった。

あちら側とこちら側、
私はもちろん、日々の些細なことに面白さを感じる平山さん側だ。
世の中は十人十色で、人それぞれの生きやすい場所がある。
それを見つけられたら、それでいいと思うのだ。
生きやすいと思った道でも、良いこともあり、悪いこともある。
そういうものだ。
わからないけれどね。

そうそう、映画の中で流れていた曲がとても良かった。
これまでのヴェム・ヴェンダース映画の選曲は
だいたいどれも好きだ。
この映画を夫と一緒に観てから
我が家ではルー・リードのレコードをずっと聞いている。
夫も私もそれぞれに随分前から聴いていた彼の曲だが
ここ数年ご無沙汰していた。
そして今、映画をきっかけに
再度ルー・リードの音楽にハマってしまって
1週間ほど前に観たあの日から
ずっと頭の中で彼の曲が、流れ流れて止まらない。
かなり影響を受けちゃっているこの頃なのだ。

映画館内の売店横の壁一面に今まで上映した映画のポスターやチラシが貼られていた。




kinopiyo
バルセロナ在住。グラフィックデザインをしつつ布で小物なども製作中。 2019年12月に出版したバルセロナのガイドブック『心おどるバルセロナへ 最新版』イカロス出版より発売中。電子書籍もAmazon、kindle、楽天koboなどでお求めいただけます。私が好きなお店の紹介や暮らしについてをお伝えしたいと思っています。