この日は確か月曜日。
通常、バルセロナでは月曜日は美術館も博物館も休館日で
この曜日に出かけるならショッピングかガウディ建築を巡るのが最適なのです。
そう思い、月曜日の午前中にコロニアグエルを訪れました。
そう、ガウディ建築だというのに
急に思い立って行ける場所なんです。
予約もなしで入場できるうえに、たったの10ユーロ。
バルセロナの図書カードがあれば8ユーロ。
65歳以上ならシニア割引で8ユーロです。
(行き方は最下欄にあります)
入場券を購入できるミュージアムグッズ売り場などが併設されている建物から
少し歩いてこの場所に到着するのだけれど
何度か来たことはあるというのに、
ゆっくり歩いている間に、少しずつ見えてくるコロニアグエルに
あっ、見えてきた!見える見える。と
ワクワクする気持ちは変わらないのです。
まずは扉をくぐって入ってみると
内部には、たった二人のお客様だけでした。
薄暗い中に、色彩豊かなステンドグラスが
色を放っていて、
そこに花が咲いているように壁にふんわり浮かんでいるのです。
それが本当にかわいくて大好きなのです。
このお花のようなステンドグラスが
教会内に22個もあり、
一つとして同じものはないので
ついつい、全てのものをカメラに収めたくなっちゃうのです。
とはいえ、ここには少しだけ載せようと思います。
光といえば、内部にある照明が個性的なデザインで
目が釘付けにされてしまったのがこちらです。
写真では明るすぎる感じに撮れてしまったのですが
本当は、暗がりの中にほのかな灯りがともっています。
丸い小さなステンドグラスが四方についていて
左右対称じゃないデザインがとっても素敵でした。
そして、ガウディがデザインした椅子。
座ると体にフィット感があるのは、
美しいだけじゃない曲線がそうさせるのかもしれないですね。
二人がけの椅子は木と鉄で作られていて、
当時のものはコロニアグエルの職人が作ったそうですが、
現在内部にあるものはレプリカだそうです。
上を見上げると天井は、ほぼレンガで作られていて
アーチ状の骨組みもそれで組まれています。
この内部にいると、外国の博物館にある
大きな骨組みを持つ巨大恐竜を想像し、
自分が恐竜の内部にいて骨に覆われているけれど
恐怖感はなく、逆に安心感を感じてしまうのが
さすがガウディ先生だなと思います。
そして、柱に使われているのはゴッツい玄武岩で
それらは内部に4本の大黒柱として存在します。
この岩のざっくりとした削り具合が自然すぎて
しかもかっこよく、何度も手で触ってしまったほどです。
この建築物はレンガ技術の見せ所ばかりで、
スパイラル状に施されていたり、
柱がバスケット模様のようになっていたり。
レンガ職人の技の集大成ですね。
ステンドグラスもそうですが、モザイク模様が素朴な感じで
ほっこりして、色彩もキュート。
いつまでも、何度でも見返したくなってしまうのです。
きっちり並べられていないし、切った線が真っ直ぐではなくて
いかにも自然に砕かれたタイルのその感じが
見ている側にリラックス感や笑顔をくれる
それでいてアートとして成立しているのです。
真ん中のかわいいモザイクは
聖なる家族を表しているそうです。ピンクの十字架がキリストで
おそらく黄色のノコギリがヨセフ、Mがマリア様だそうで、
Mってどこ?って思ったのですが
それは中央の茶色のようなオレンジ色のようなモザイクのことかな?
それともm小文字だとするとパステルグリーンの下の3本あるやつ?でしょうか。謎です。
真ん中の六角形のモザイクは三位一体を表しているそうです。
なかなか渋い色ですよね。
こんな帯留があったら欲しくなっちゃいます。
さて、ガウディはコロニアグエルの建設を
実業家のエウセビ・グエルから依頼されたのが1898年でしたが
10年ほどもの間、構造的な実験を行なっていました。
そのひとつが放物線状のアーチの発想です。
こちらの模型はコロニアグエルのチケット&ミュージアムグッズ売り場の同じ建物に展示されています。この放物線状が吊るされているその下には
鏡が置かれていてその仕掛けがあることで、上下が逆さまになり、
放物線が上を向いた、この教会の正式な全体の姿が
浮かび上がるように見られます。
ぜひ、この展示場も忘れずにご覧ください。
こんな実験を10年ほど続けその後、
建設にとりかかりましたがパトロンであるグエルの体調が悪くなり、
後継者の息子たちに今後のことを頼みましたが、
あまり興味を示さなかったため
1914年にガウディはこのプロジェクトから降りてしまったそうです。
とはいえ、長い年月をかけて、様々なアイディアが生まれたコロニアグエルは
後のサグラダファミリアのための実験場だったとも言えるような気がします。
コロニアグエルへは4回ほど訪れていますが、
ガウディ建築の中で最も心が落ち着く一番大好きなところです。
そこに丘があるから、ガウディは丘を利用して
丘に寄り添うようにコロニアグエルを建設したのです。
ここにくると、ガウディ先生がとても身近に感じるし
丘に座って植物と対話している彼の姿が目に浮かぶ。
そんな場所です。
〈コロニアグエルへの行き方〉
▪️Pl Espanyaプラサ・エスパーニャ駅からFGCの列車乗り場に行きます。
このマークが目印ですので、この表示を目指して乗り場に行きます。
降りる駅名はColònia Güellコロニアグエル
路線番号のS3, S4, S8, S9しか止まりませんので
この4つの路線番号のどれかに乗ります。
Pl Espanya
↓
Magòria-La Campana
↓
Ildefons Cerdà
↓
Europa Fira
↓
Gornal
↓
Sant Josep
↓
L’Hospitalet-Av.Carrilet
↓
Almeda
↓
Cornellà Riera
↓
Sant Boi
↓
Molí Nou-Ciutat Cooperativa
↓
Colònia Güell 下車
Pl Espanyaプラサ・エスパーニャから約30分ほどで到着します。
到着して駅を出ると、
道路に青い色のペンキで足跡がペタペタとついていて
それがコロニアグエルまでの道標になっています。
面白いアイディアだと思いませんか?
途中、ペンキの色が白くなったり黒くなったり
足跡が急に無くなったりしますが、表示看板も出てますので
気にせずのんびり歩いていけば大丈夫です。
およそ10〜15分ほど歩けばチケット売り場のある
建物に到着します。
のどかな場所なので散歩するのも気持ち良いです。
昔、繊維工場だったところの建物になぜか白い鼻がついてます
ワンちゃんと一緒にお散歩をしていたベレー帽を被ったおじいさんに行きも帰りも出会いました
コロニアグエルについての詳しいことはこちらのホームページへ
素敵な旅になりますように!
ボンディア〜